NHKスペシャル新・映像の世紀最終回

映像の世紀シリーズにはなかった21世紀になってからの映像でこの15年ほどを振り替える内容で、911テロにはじまりアフガニスタン戦争やイラク戦争の映像、そしてYouTubeの誕生により社会が激変し、SNSの台頭がアラブの春を後押しし、そのアラブの春が同時に中東に混沌をももたらし、そしてISが台頭して動画投稿が映像技術を駆使したプロパガンダにも利用されているというような内容だった。
ISの台頭によって迫害を受けはじめているヨーロッパに住む普通のイスラム教徒がフリーハグを要求して街頭に立つと心ある市民たちが抱きしめたり、ファレルウィリアムスのHAPPYの音楽に合わせて踊る動画を世界中の人々がYouTubeにアップするというブームが起こったとき、困難な状況に置かれてるガザ地区エルサレムバグダッドの人々などもファレルウィリアムスの曲に乗せてノリノリに踊る動画をアップしているというのにちょっと泣けた。動画投稿によって誰もが発信者になれるというのは21世紀、そしてYouTubeの出現がないありえなかったことだ。そしてその動画投稿を憎悪を掻き立てる方向に使うのか、それともハッピーな気分を共有するために使うのか、それは動画を投稿する者、そして観る者にゆだねられているということを認識させられた。
21世紀になってからの出来事がちょっとざっくりしすぎじゃないか、もっとこの出来事にも触れるべきだったんじゃないかと少々疑問も残る構成ではあったけど。
あと10年、20年くらい経ったらさらに新シリーズの映像の世紀が作られるかもしれない。