グッバイレーニン

NHKBSで以前放送していたグッバイレーニンがなんと深夜だけど日テレでも放送していた。メルケル首相の来日に合わせてのことなんだろうか。日程が詰まってるだろうからそんな夜中まで起きてはなかっただろうがせっかく日本でも放送していたんだから旧東ドイツ出身のメルケル首相にも観ていただきたかった。
普通の市民の目線から見た東ドイツの生活がどのようなものだったかということを描いている貴重な作品だと思う。
ベルリンの壁がいきなり崩壊して西側の資本がなだれこみ、東ドイツ製のピクルスはもうスーパーの店頭からなくなって倒れた母のために東ドイツの雰囲気を再現しようとピクルスを探して奔走したり、姉はハンバーガーチェーンのバーガーキングで働きはじめたり、資本主義の象徴のようなコカコーラをレポートしようとして社員に止められたりとクスリとする描写が満載で、ワールドカップもネタにされて懐かしのサッカー選手マテウスベッケンバウアーも出てくる。ベルリンの壁の崩壊が旧東ドイツに決して自由ばかりをもたらしたわけではなく戸惑いや混乱ももたらし、ある意味当時の旧東ドイツ出身者の本音を代弁したかのような描写もチラホラ。しかしそれを時にノスタルジックに時にコメディタッチで描き、そして東ドイツに尽くした母のために当時の東ドイツの風景を必死に再現しようとして壮大な嘘をつき続ける主人公の姿に泣ける。日本での知名度はかなり低いのが残念だがグッバイレーニンは名作だと思う。またどこかで放送してほしい。